地域公共交通の課題と展望
〜JR連合地方議員とともに考える地域交通のあり方〜
■「チーム公共交通」の形成を!
一昨年の交通政策基本法に続き、昨年の通常国会で地域公共交通活性化再生法一部改正法が成立した。地方における公共交通が窮地に立たされている今、政府はより地方の実情にマッチングした公共交通のあり方を、地方自治体がその主体となり、自治体を巻き込みながら進めていくという方針に舵を大きく切った。
一方、地方自治体からは「交通に精通した担当者がいないしカネもない」という声を聞く。法律の期する主目的と現場実態に乖離があるのが実態となっている。
JR連合は2014年10月10日に政策シンポジウムを開催し、JR連合は「チーム公共交通」の形成を目指すことを内外に明らかにした。即ち、これまでは事業者相互間の競争関係が好循環を生み出してきた時代であったが、今後は競争関係とともに、人口減少、少子高齢化を勘案した事業者間の協業関係をも考える時期が到来しており、その実現のためには事業者間同士の連携強化が必要不可欠であるとの考え方である。一方で、事業者間のみでは調整が進み得ないのはこの間の歴史が示す通りであり、事業者間の利害調整を図る上で自治体の役割がますます重要であると考える。
JR連合は、今後異なる交通モードや事業者間の枠を乗り越えた「チーム公共交通」の形成を訴える。そして、その橋渡し役としての地方自治体を筆頭とする公共がしっかりと支えるフレームを構築できるよう、内外に訴えていく。
■地方における公共交通の実態把握を展開!
まずは地方における公共交通の実情を理解すべく、JR連合は全国に数多く存在するJR連合内の地方議員と連携し、その議員が所属する地方自治体における公共交通の実態把握を展開することとした。地方では、バスや鉄道の廃止・廃線が相次ぎ、交通空白地帯も徐々に拡がっている。しかし交通を支える財政面も逼迫し、交通の維持も困難な状況となっている。そうした中で、地方がどのような苦労をしながら交通政策を展開しているのか、現場で何が起こっているのか、関係単組とともに現場に出向き、実態調査を展開することとした。