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2020年度運動方針(第29回定期大会の概要)

JR連合は6月16日、田町交通ビルにおいて第29回定期大会を開催しました。未だ収束を見通せない新型コロナウイルス感染症の影響により書面による議決としましたが、2020年度の運動方針をはじめとするすべての議案が全代議員の賛成により承認されました。

本大会はWeb会議システム「Zoom(ズーム)」を活用してライブ配信し、広く視聴を呼び掛けました。また、連合の神津里季生会長からはビデオメッセージを頂戴し、JR連合運動への強い期待感が示していただきました。

概要の動画を掲載しますので、ぜひご視聴ください!

 ・会長挨拶動画(約13分)

 ・神津会長動画(約4分)

 ・運動の基調局長動画(約10分)

【メインスローガン】

最大の経営危機を強固な団結と労使関係で克服し
「JR連合ビジョン」の実践と産業・労働政策の推進を通じて
JR産業の持続的発展と組合員・家族の幸せを実現しよう!

【サブスローガン】

  1. 「安全は絶対に譲らない」という信念のもと、職場から安全衛生活動を推進し
    「すべてのJR関係労働者の死亡事故・重大労災ゼロ」を達成しよう!
  2. 「JR連合ビジョン」の実践を通じて魅力と信頼のある組織を築き
    JR産業に働くすべての仲間のJR連合への総結集をめざそう!
  3. 労使が一体となり、JR産業の将来を見据えて「JR二島・貨物経営自立実現
    プロジェクト」をはじめとする政策課題の解決に取り組もう!
  4. 安心して意欲を持って働き続けられる環境をまもり「中期労働政策ビジョン」で掲げた
    すべてのJR関係労働者の諸労働条件の改善を実現しよう!
  5. 新型コロナウイルス感染症の拡大による今後の社会変化に向き合い
    次代を展望し責任産別としての運動と政策を進化させよう!

この間の取り組みを踏まえた運動の基調

私たちの前に広がる光景は、新型コロナウイルス感染症の拡大により一変しました。全世界が、そして日本が、不安と恐怖の渦の中を漂っています。さまざまな産業が機能不全に陥る中、JR産業もこれまで経験したことがない最大の危機に直面しています。全国に緊急事態宣言が発出されて以降、鉄道の輸送量は急激かつ大幅に減少しました。ホテルや飲食、弁当やお土産などの物販、バス、船舶、旅行業などの業種では、正常な事業運営が困難な状況となり、臨時休業や運休といった対応を余儀なくされ、多くの仲間が一時帰休をはじめとする勤務調整や負担を強いられています。JR産業で働くすべての仲間が将来に対し大きな不安を抱いています。まずは全力をあげてこの危機を克服しなければなりません。

そして、こうした未曽有の事態に直面し、私たちは今までとは異なる行動と生活を余儀なくされました。その中で人々の価値観にさまざまな変化が起こっています。まさに社会が変わろうとしています。きっとJR産業を取り巻く環境も今後大きく様変わりするでしょう。

私たちJR連合は発足以来、JR産業の持続的発展と、組合員および家族の幸せ実現をめざしてきました。そのためにも取り巻く現状と将来を冷静かつ客観的に見定め、人口減少や高齢化といった社会の変化や動きを前向きに捉えながら能動的に対応してきました。私たちは、こうして蓄積してきた柔軟な組織力と確たる価値観をいかんなく発揮し、今まさに直面している新たな困難と、今後劇的に変化しようとしている社会を真正面から受け止めつつ、今後のJR連合運動を構築し、以てJR産業に集うすべての仲間が希望を持てる将来を実現しなくてはなりません。将来は私たちの手で実現するのです。それこそが本年2月の中央委員会において確認した「JR連合ビジョン」の根幹をなす理念であり、目の前に立ちはだかる困難を乗り越えるためにも、今まさにすべての組織が「JR連合ビジョン」に記された6つの運動の柱に果敢に取り組むことが求められるのです。

運動方針案の策定にあたっては、以上を基本認識に据え、「JR連合ビジョン」の浸透と実践を通じてJR連合運動のさらなる進化を図るとともに、取り巻く社会の変化を見据え、これまでの取り組みについて変えるべきものは変え、不変のものはさらに深掘りしていくこととし、その上で以下4点からなる基調により構成することとします。

T JR産業の安全確立と職場における安全衛生の強化

第1に、JR産業の安全確立と職場における安全衛生の強化についてです。この間、私たちは安全確立こそ最重要課題として位置づけ、特に昨年度はグループや協力会社を強く意識し、関係単組と連携し職場における取り組みの充実、強化を訴えてきました。しかしながら、昨年の大会以降残念なことに死亡労災が4件発生し、その他重大労災も後を絶ちません。加えて、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、さまざまな職場において安全および衛生上の課題が浮き彫りになりました。私たちは安全および衛生について起こりえるさまざまな事象を想定し、職場の安全衛生管理を強化しなければならないことを教訓として学びました。

安全および衛生は職場で作られます。従って、今年度は「すべてのJR関係労働者の死亡事故・重大労災ゼロ」を最重点テーマに掲げて取り組みを職場から深度化していかなければなりません。とりわけ本年度は福知山線列車事故から15年を迎えるにあたり、事故を忘れず悲劇を絶対に繰り返さない決意のうえに、働く者の安全確保がひいては鉄道の安全確保につながるとの考え方を基礎に、今一度すべての職場における安全確立にむけた取り組みを全ての単組、組合員と認識の共有化を図っていくこととします。加えて、職場における安全衛生管理の要諦ともいえる安全衛生委員会活動の充実強化を急務の課題と位置づけ、関係単組と連携し、安全面の課題および衛生面の課題それぞれについて検証し、対策を講じる取り組みを展開します。特にグループや協力会社においては安全衛生管理体制が脆弱であることから、エリア連合やグループ労組連絡会とのさらなる連携を図っていくこととします。

U 「JR連合ビジョン」の実践を通じた組織強化・拡大の取り組み

第2に「JR連合ビジョン」の実践を通じた組織強化とJR連合への総結集についてです。至るところで雇用への不安が渦巻いているこうした時期だからこそ、労働組合の必要性が改めて社会の中で強く認識されています。JR産業においても、収益の大幅減少や休業を余儀なくされている企業では一時帰休といった様々な勤務調整が行われましたが、JR連合に加盟する労働組合と企業との間で休業補償などについて丁寧な労使協議に取り組み、JR連合もそうした労使の取り組みをエリア連合とともに支えてきました。今後もJR産業を取り巻く環境は極めて厳しい状況が続くと想定されています。だからこそ働く仲間の集合体である労働組合が一枚岩になって会社と丁寧に向き合い、雇用をまもり、生活をまもっていかなければなりません。まさに組織の強化、横の連携、そしてJR連合への総結集が必要なのです。

これまでも私たちはそうした認識に立って組織の充実強化に取り組んできました。特に昨年度は加盟単組における運動理念の羅針盤ともいえる「JR連合ビジョン」を中央委員会で提起し、以降すべての単組がその実践を通じた組織強化に全力で取り組んできました。加えて、民主化闘争の取り組みの深度化とJR東日本、JR北海道、JR貨物やグループ会社等でJR連合に加入していない仲間へ輪を広げる取り組みも図ってきました。着実に組織力は強化され、既に8万6千人まで組織人員を増加させています。しかし、その取り組みはまだ道半ばです。未曽有の危機に直面した今、JR産業に集うすべての仲間のJR連合への総結集を早期に実現するためにも、「JR連合ビジョン」に掲げた運動の方向を示す6本の柱に基づいた組織強化・拡大に資する具体的方向性を方針案として提起し、本年度は加盟単組のさらなる組織強化と、民主化闘争の完遂やグループ会社における一層の組織化を通じて、未加入者に対する加入拡大の取り組みを一層強化します。

V JRの発展にむけた政策実現への取り組み

第3に、新型コロナウイルス感染症の拡大によるJR発足以来最大の危機を克服するとともに、変化する社会の中で今後のJR産業を見据えた政策実現の取り組みについてです。

まずはJR産業を直撃したダメージから復活を果たすために、JR各社とも連携し、国への要請をはじめとする政策活動を緊急的に進めることとします。

そして、これまで都市圏輸送の太宗を占めてきた通勤形態はテレワーク、在宅勤務の進展により大きく変容するかもしれません。またこれまで出張を通じて対面で行われたビジネスが一定割合でTV会議などに置き換わることにより、都市間輸送にも大きく変容する可能性が指摘されています。その一方で、事態収束後は人口や産業の分散化、インバウンドを含めた観光の再認識といった動きも加速していくでしょう。このように、JR産業を取り巻く環境はこれまでとは全く異なった状況になることが想定されます。

JR連合はこの間、時代の変遷等を踏まえ、交通重点政策をはじめとした政策提言を発信してきました。昨年度においては来年3月末に期限を迎えるJR二島およびJR貨物に対する支援策のあり方を巡り、近視眼的な視点ではなく、それぞれの会社が将来において自立経営を実現できる方策を見定めるべく、プロジェクトを発足させ、政治や行政および学識者を交えて能動的な取り組みを展開してきました。こうした取り組みは本年度も継続して果敢にかつ丁寧に取り組んでいきます。その一方で、JR産業をけん引する労働組合の立場として、今後起こりうる社会の大きな変化を丁寧かつ客観的に捉えた上で、今後JR産業はどうあるべきなのか、どのような方向性に立って産業を持続的に成長させていくべきかという視点に立って、早々に関係単組を巻き込んだ議論を開始するとともに、JR各社とも連携を図りながら骨太な政策提言を発することとします。その際には鉄道業という枠に拘らず、現在JR産業が担っている業種範囲や今後担うべき領域等も視野に入れた、包括的な産業政策として議論を展開することとします。

W 「中期労働政策ビジョン」に基づく労働条件向上にむけた取り組み

第4に、「中期労働政策ビジョン」に基づく安心して働ける環境の実現にむけた取り組みについてです。JR連合はこの間、JR関係労働者のあるべき労働環境を実現すべく、累次の「中期労働政策ビジョン」において目標を設定し、その到達にむけて加盟するすべての単組と連携してきました。このような中長期的視点に立った取り組みの積み重ねこそ私たちの財産であり、今後も引き継いでいかなければなりません。現に各単組では目標の到達にむけてさまざまな労使協議の場を能動的に活用しています。そうした中で迎えた2020春季生活闘争は先行きが全く見通せない状況下ではありましたが、長期安定雇用を基本とするJR産業にとって継続した賃上げが不可欠であること、「人材の確保・定着」にむけてすべての労働者の立場に立った働き方を実現し、JR産業の持続的な発展のためにもJRグループ内で働く仲間が安心して働き続けることのできる労働環境を早期に実現するといった認識をすべての単組が共有し一丸となって取り組み、結果としてJR5単組、グループ31単組でベースアップを実現したほか、諸労働条件の改善を実現することができました。本年度は新型コロナウイルス感染症の拡大による未曽有の経営危機に際し、各単組ともに相当に厳しい対応を迫られることが予想されます。緊急的、短期的な課題には、これまで培われた労使の信頼関係に基づき真摯に対応する一方で、「中期労働政策ビジョン」で提起する中長期的な方針はしっかりと堅持し、JR産業に集う全ての働く仲間にとって相応しい労働環境を着実に実現していく取り組みを強化していきます。とりわけ今後私たちを取り巻く状況が厳しさを増す中、春季生活闘争についてはJR連合に集うすべての単組がこれまで以上に一丸となって取り組んでいく必要があり、そうした認識に基づいた包括的な方針策定を検討していきます。

一方、JR産業においても、ここ数ヵ月間、例えば時差通勤や在宅勤務、テレワークといった取り組みや、テレビ会議、さらには子供を抱えた組合員に対するさまざまな勤務措置など、強い社会的要請に基づき、今まで経験したことがない働き方を実践してきました。一方でそうした取り組みを通じてさまざまな課題も顕在化しました。さらに出面勤務が主体の現場ではこうした仕組みが利活用できないといった課題も露呈しました。私たちは今回の教訓を丁寧に検証し、JR産業におけるあるべき働き方を改めて整理する必要があると認識しています。また、こうした働き方に加えて、社会の変化に応じた雇用のあり方、賃金のあり方などについて、これまでの既成概念に限らないJR産業全体を俯瞰した広範な検討を図る必要があります。従って、本年度はこうした観点に立脚したこの間の検証と議論を深め、将来を見据えたあるべき働き方について一定の方向性を示していきます。

なお、上述各々の項目で触れた、新型コロナウイルス感染症の拡大を通じて今後起こりうる社会変化を見据えたJR産業、働き方、職場の安全衛生管理のあり方といった課題については、実態を丁寧に検証した上で広範な視点から横断的に検討を図る必要があります。従って、それぞれの運動領域とは切り離し、包括的な議論と政策立案を推し進めるべく運動方針案に盛り込むこととします。

最後に JR連合とJR産業における健全で強固な労使関係の充実・強化を!

以上の基調から構成される運動方針案を今後確実に実践するためには、JR産業を構成するすべての会社が私たちの取り組みを理解し、その上で労使がこれまで以上に連携することが必要不可欠です。時代の大きな変革期にあって、JR労使が意思疎通できなければJR産業は間違いなく衰退します。そうした危機感を労使が共有し、労使が胸襟を開き合い、真摯な議論を通じて将来を切り拓く!その集積としてJR連合とJR産業が一枚岩となって政治や行政などの関係主体を巻き込みながらこの難局を乗り越える! こうした認識と気概を持って、JR連合はすべての単組と意思疎通を図り、この1年前進し続けます。組織のさらなる飛躍を遂げるべく、本定期大会における真摯な討議と、一層力強い運動の展開を要請します。

T.新型コロナウイルス感染症の拡大による社会・環境変化に応じた対応

U.JR産業の安全確立と安全衛生の強化にむけて

V.「JR連合ビジョン」の実践を通じた組織強化・拡大の取り組み

W.JRの発展にむけた政策実現への取り組み

X.「中期労働政策ビジョン」に基づく労働条件の向上にむけた取り組み

・運動方針の詳細は機関紙613号参照

・意見と答弁は機関紙615号参照