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第9回安全シンポジウム開催

安全最優先の風土づくりに向け全体で決意固める

JR連合は、2015年11月9日、「ホテルアソシア静岡」において、「福知山線列車事故から10年、より安全・安心なJRグループを目指して〜安全の取り組みを検証し、今後の安全性向上に活かそう〜」をテーマに第9回安全シンポジウムを開催した。

冒頭、福知山線列車事故をはじめ、鉄道事故で犠牲になられた方々のご冥福と負傷された方々の回復を祈念し、参加者全員で黙祷を捧げ、安全確立へ決意を新たにした。

主催者を代表して松岡会長は「この間、重大事故を発生させたことの反省と教訓を胸に刻み、加盟各単組とともに安全確立を最重要課題と位置づけ取り組みを展開してきた。事故を決して忘れることなく、悲しみを二度と繰り返さない安全最優先の風土作りにむけて、あらためて決意を固めようではないか」とあいさつし、本シンポジウムをあらたな契機とした運動の実践を要請した。

第一部は、JR連合の吉田組織部長が、「JR連合の安全に関する取り組み経過と今後の方向性」と題し、基調報告・問題提起を行った。福知山線列車事故以降、定期的な安全対策委員会の開催、業種間安全検討会、安全ポスターの作成・配布、「安全指針」「重大労災防止の行動指針」の策定と浸透、さらには国・行政への働きかけなど、取り組みの経過を振り返るとともに、自然災害等のリスクへの対応を含めた、安全性向上に向けた取り組みを提起した。

第二部では、公益財団法人労働科学研究所の酒井所長が基調講演を行い、労働災害の発生状況を含めた他産業における労働災害事例が紹介され、鉄道産業の安全の仕組み、会社組織の枠を超えた安全衛生管理体制のあり方が提起され、安全文化の再構築の必要性が示された。

取り組み事例の報告から更なる安全性向上に向けて討論

第三部のパネルディスカッションでは、酒井所長のコーディネートで「更なるJRグループの安全性向上にむけて」なるテーマで、討論を展開した。パネリストには、JEC連合のADEKA労働組合笠井中央執行委員長、JR東海ユニオン半田交渉部長、JR西労組羽野業務部長、グループ労組から西日本電気テック労組山部書記長、そしてJR連合から吉田組織部長が、職場の現状・事故事象などの報告や取り組み事例の紹介を含め、活発な討論を展開した。

最後にJR連合の河村事務局長が全体をまとめ、シンポジウムの全日程を終えた。JR連合と加盟単組は、今回のシンポジウムでの討論内容を自組織に持ち帰り、更なる安全性向上にむけた単組・職場での実践を通じ、より安全な鉄道の構築に引き続き取り組んでいく。