HOME > 2021春季生活闘争

2021春季生活闘争のコメント

2021春季生活闘争におけるJR各単組の妥結結果を踏まえてのコメント(3月30日)

2021春季生活闘争の基調

新型コロナウイルス感染症拡大の第三波の襲来により、11都府県を対象に緊急事態宣言が再発令され、その影響でJR産業においても多くのJR各社・グループ会社で一時帰休等の雇用調整が実施されています。そうした中で迎える2021春季生活闘争は、これまで経験したことがない厳しい取り組みとなりますが、JR産業に集うすべての仲間の「雇用と生活の維持」を第一義に、労働条件を中期労働政策ビジョンで示した「働きの価値に見合った水準」へと引き上げるため、加盟100単組一丸となって、「ONE TEAM」で臨むこととします。

また、JRの責任産別の立場を踏まえ、加盟単組はもとより労働組合に護られていないグループ会社や協力会社等の仲間にまで想いを馳せて、2021春季生活闘争を通じた企業規模間・雇用形態間の「格差是正」を実現するとともに、健全な労働組合と労使関係の重要性を内外に広く発信し、JR連合への総結集を呼びかけます。

なお、2021春季生活闘争に取り組むにあたっての基調については以下の通りです。

◆あらゆる資源・活動を総動員し、「ONE TEAM」で春季生活闘争に臨む

新型コロナウイルス感染症の拡大は、JR産業を取り巻く環境を一変させ、目下発足以来最大の経営危機に直面しています。

これまでJR連合は、この未曾有の難局を克服するべく、関係省庁や政党をはじめ、あらゆる関係主体に対してJR産業の窮状を訴え、所要の経営支援措置を求めるとともに、全組合員・家族を対象とした「JR産業に関わる緊急政策課題の解決を求める署名」に取り組み、雇用調整助成金の特例措置の延長や公租公課の負担軽減措置の延長・拡充、JR北海道・JR四国・JR貨物の経営支援措置の継続・拡充等の要望事項の実現にむけて、重層的な取り組みを展開してきました。また、コロナ禍で苦しむグループ労組の仲間を応援するために「JR連合ふれあいキャンペーン」を展開し、グループ会社の施設・店舗等の利用を呼び掛けるなど、加盟全単組一丸となった取り組みを、鋭意展開してきたところです。

そうした中で迎える2021春季生活闘争は、これまで経験したことがない厳しい環境下での取り組みとなりますが、これまで培ってきた政策活動や政治活動などあらゆる資源・活動を総動員し、JR産業の維持・発展と働く仲間の雇用と生活を守るため、加盟全単組が一丸となって「ONE TEAM」で臨むこととします。

◆JR産業の責任産別として、すべての仲間の雇用と生活を守る

昨年4月の緊急事態宣言発令以降、JR各社の経営トップは、グループ全体での雇用維持を最優先に取り組む姿勢を鮮明にし、これまで労使を挙げて所要の対応に尽力してきたところですが、経営を取り巻く環境が悪化の一途を辿る中、すでに一部のグループ会社では雇用調整を目的とした出向や希望退職の募集などが実施されています。そして、3月以降の雇用調整助成金の特例措置の動向如何では、こうした動きが加速していくことが懸念され、JR産業全体の雇用が脅かされる事態へと発展しかねません。

企業と労働組合に課せられた最大の使命は言うまでもなく「従業員の雇用の維持」であり、現下の危機的な雇用情勢を踏まえ、2021春季生活闘争においては、グループ全体での雇用維持・創出にむけた取り組みを最重視し、中期労働政策ビジョンで提言した各グループ内で包括的に人材を確保していくための環境整備に、労使の英知を結集して取り組むこととします。

また、賃金に関しては、賃金実態調査の結果、中期労働政策ビジョンで設定した必達目標賃金に多くの加盟単組が到達していない実態が明らかになっています。これは、JR産業の「働きの価値に見合った水準」に到達していないということであり、この現実は直視しなければなりません。よって、厳しい経営状況は理解しつつも、年度初における定期昇給相当分の確保を大前提に、産業としての社会的使命を果たし続けている仲間の賃金を「働きの価値に見合った水準」へと引き上げるため、必達目標賃金に到達していない単組においては、賃金水準の追求に最大限取り組むこととします。

◆中期労働政策ビジョンの提言に基づき、労働諸条件の改善に取り組む

JR産業における「人材の確保・定着」を実現していくためには、賃金のみならず個々の労働条件を含めた働き方全般について点検し、改善を図る取り組みも重要となってきます。

そして、生産年齢人口が減少の一途を辿る中で安定的に労働力を確保するためには、女性や高年齢者の活躍が不可欠であることから、個々人のニーズにあった多様な働き方の仕組みを整え、多種多様な事情や背景を抱える人材が就労を希望する限り、安心して働き続けることができる職場環境を整備することで、ワーク・ライフ・バランスを実現しなければなりません。

また、2021年4月施行の中小企業の有期・短時間・契約等労働者に対する「同一労働同一賃金」の法規定や、改正高年齢者雇用安定法への対応といった法令順守はもちろんのこと、あらゆるハラスメント対策なども重要課題です。

従って、2021春季生活闘争においても、中期労働政策ビジョンの提言に基づき、すべての労働者の立場に立った働き方を実現するべく、「総合生活改善闘争」に継続して取り組むこととします。

◆人材の確保・定着にむけて、今後の社会変容を見据えた働き方の改革に取り組む

新型コロナウイルス感染症拡大により、国内ではこの間、感染防止対策として三密を避ける行動が求められてきましたが、企業においても、テレワーク・時差出勤の慫慂や、Web等の活用による集合研修・出張の抑制等が実施されてきました。今後国内では、こういった働き方がニューノーマルとして定着していくことが予想されます。

一方、JR産業においては、コロナ禍にあっても社会生活を維持する上で不可欠な公共交通機関として、企画計画部門では上述した取り組みが実施されたものの、現業部門では、基本的に多くの仲間が感染リスクを抱えながらも通常業務を行ってきたところです。

しかし今後、社会が大きく変容していくことを見据えて、すでにJR各社では、最終列車の繰り上げや、三密回避のための乗車分散化に資する運賃体系の見直しなど、企業の生き残りをかけた取り組みが実施されようとしています。

上述した通り、JR産業はエッセンシャルワーカーとしての使命を果たすべく、いかなる状況に晒されようが事業を継続していくことが求められる産業ですが、大きな社会変容が起ころうとしているこの機会に、これまでの働き方を検証し、今後の社会変容を見据えた働き方を大胆に提案していくことは、時代の趨勢に取り残されないためにも極めて重要であると考えます。

現に足元でも、国内は基調としては慢性的な働き手不足であり、JR産業においてもJR各社・グループ会社問わず、若年・中堅社員を中心に離職し、他産業へと転職していく動きが止まっていません。

JR産業は、一定の年月をかけて知識や技術を習得し、そのスキルを後輩へと継承していくことで事業を継続してきたことからしても、就業形態は長期安定雇用が基本であるにもかかわらず、貴重な戦力として一定期間をかけて育成した社員をみすみす手放すことは企業にとっても痛手であり、人材や産業の劣化にも繋がりかねません。

そうした認識に基づき、人材や産業の劣化を防ぎ、退職まで意欲を持って安心して働き続けられる、そして社会的使命を果たし続けられるJR産業を築いていくためにも、コロナ禍のピンチをチャンスと捉え、2021春季生活闘争を足掛かりに、今後の社会変容を見据えた働き方の改革に取り組み、産業の魅力をより高めていくこととします。

◆JRグループ内における格差を是正し、安心して働き続けることができる労働環境を実現する

JR産業は、この間の事業多角化や鉄道事業における業務移管の推進等により、現在ではグループ会社や協力会社等の仲間によって事業運営が支えられていますが、依然としてJR各社との労働条件の格差は解消されていません。

そして、グループ会社を取り巻く足元の経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でホテル、百貨店、飲食・物販、旅行、バス、船舶などの事業を営む企業では、目下最大の経営危機に直面しており、鉄道事業関連の企業においても今後、JR各社の設備投資や修繕費、業務委託費の削減等による業績悪化が懸念されるなど、極めて厳しい状況にあります。しかし一方で、そうした厳しい経営環境にあることは理解しつつも、企業が目先の業績回復に固執し、近視眼的な判断で対応を誤れば、従前からの課題である離職が増加し、人材や産業の劣化に繋がる危険性を孕んでいることにも留意しておかなければなりません。

JR産業のサプライチェーンを維持し、持続的に発展していくためには、グループ会社や協力会社等における「人材の確保・定着」が不可欠です。よって、JR各単組はグループ全体で生み出した付加価値の適正分配をあらゆる場面で力強く訴え、グループに集うすべての仲間の労働条件向上にむけた取り組みを強化することとします。一方、グループ労組においても、近視眼的ではなく、中長期的視点に立った労使協議を徹底することとします。

その上で、グループ会社とともにJR産業を支え続けている協力会社等に対しても同様の取り組みを広げていくことで、すべてのJR関係労働者の労働条件の「底上げ」「底支え」とJRグループ内における企業規模間の「格差是正」を図ることとします。