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2020春季生活闘争の基本的な考え方

2020春季生活闘争は、新たな「中期労働政策ビジョン」に基づく初めての春季生活闘争となることから、当該ビジョンで示した「あるべき姿」に一歩でも前進を図る取り組みを展開します。

また、JRの責任産別の立場を踏まえ、加盟単組はもとより労働組合に護られていないグループ会社や協力会社等の仲間にまで想いを馳せて、2020春季生活闘争を通じて、JR産業に集うすべての仲間の労働条件の「底上げ」「底支え」と、企業規模間・雇用形態間の「格差是正」を図るとともに、健全な労働組合と労使関係の重要性を内外に広く発信し、JR連合への総結集を呼びかけます。

なお、2020春季生活闘争において、加盟全単組で共有する基調は以下の通りです。

◆長期安定雇用を基本とした就業形態であるJR産業には、継続した賃上げが不可欠

JR産業は、さまざまな業種・業態で構成されているとは言え、基本的には時間をかけて専門的知識や技術を習得し練度を高めていくといった年功的な特性があることから、就業形態は長期安定雇用が基本でなければなりません。また、製造業等の外需型産業とは違い、業績が景気動向に大きく左右される産業ではなく、そういったことからも単年度の業績に捉われることなく、中長期的視点に立った人への投資や人材育成が求められます。

しかしながら近年は、労働力不足による熾烈な採用競争により、JR産業においても若年・中堅社員を中心に離職が続いており、これまで時間をかけて育成した貴重な人材をみすみす手放すことは、企業にとっても大きな損失です。また、JR産業の最重要課題である「安全」は、専門的知識や技術を有した社員により確保されており、将来にわたり公共交通機関としての社会的使命を果たし続けていくことが求められるJR産業において、若年・中堅社員を中心とした離職に歯止めがかかっていない現状は由々しき事態であると受け止めざるを得ません。

一方、JR産業はこの間の効率化施策等により、JR発足時と比較すると社員数は減少していることから、社員一人当たりの生産性(労働の価値)は向上しており、AIやIoTの活用等によりますますその傾向は強まるものと思われます。

上述したJR産業の特性や現状を踏まえるならば、長期安定雇用の前提となる定期昇給はもちろんのこと、社員一人ひとりが生み出した付加価値や生産性向上分の適正分配、即ち、生産性三原則に基づいた継続的な賃上げが不可欠であり、2020春季生活闘争においても「賃金は最大の労働条件」との認識の下、月例賃金の引き上げに徹底してこだわっていきます。

◆「人材の確保・定着」にむけて、すべての労働者の立場に立った働き方の実現を

人手不足が深刻さを増す中で、「人材の確保・定着」を実現するためには、賃上げのみならず個々の労働条件を含めた働き方全般について点検し、改善を図る取り組みも重要となってきます。

そして、生産年齢人口が減少の一途を辿る中で、労働力を確保するためには、システムチェンジを含めた働き方の見直しはもとより、女性や高年齢者の活躍が不可欠であり、そのためにも個々人のニーズにあった多様な働き方の仕組みを整え、多種多様な事情や背景を抱える人材が就労を希望する限り、安心して働き続けることができる職場環境を整備し、ワーク・ライフ・バランスを実現しなければなりません。

さらには、有期・短時間・契約等で働く者に対する「同一労働同一賃金」への対応といった法令遵守はもちろんのこと、雇用の安定に繋がる正社員への登用や、65歳以降の就業機会の確保、その際の処遇のあり方や、あらゆるハラスメント対策なども重要課題です。

したがって、2020春季生活闘争においても、労働時間や休日・休暇制度といったすべての労働条件を点検し改善を図る「総合生活改善闘争」に継続して取り組むこととします。

◆JR産業の持続的な発展はグループ会社、協力会社等の存在が不可欠であるとの認識を加盟全単組が共有し、JRグループ内で働く仲間が安心して働き続けることのできる労働環境を早期に実現しよう

JR産業は、多くのグループ会社、協力会社等で働く仲間が、安全・安定輸送や良質なサービスの提供、事業運営を支えており、JR産業の持続的な発展はグループ会社、協力会社等の存在が不可欠であるとの認識を、加盟全単組で共有することが重要です。

しかしながら、グループ会社、協力会社等の現状は、JR各社以上に人手不足が深刻化しており、将来不安や企業に対する帰属意識の低下、より良い労働条件を求めて離職していく状況に歯止めがかかっていません。その結果、現在員不足に伴う加重労働の常態化や、それに伴う離職の連鎖といった負のスパイラルに陥っており、蓄積された経験や知識、技量が必要とされるJR産業において、このような事態は心身の健康や安全確保、そして安全・安定輸送の観点からも看過できない状況であり、産業の持続的な成長・発展を阻害するものです。

その背景には、JR本体からの委託料等が労働条件改善原資に十分に分配されず、JR各社との労働条件の格差が依然として是正されていないことなどが挙げられますが、グループ会社、協力会社等における「人材の確保・定着」と「人材育成」はまったなしの最重要課題であり、入社から退職まで安心して意欲を持って働き続けられる職場環境を整備し、何としても離職ドミノに歯止めをかけなければなりません。

よって、JR各単組は、この厳しい現実を直視し危機感を持って、グループで働くすべての仲間の労働環境を向上させるべく、グループ全体で生み出した付加価値の適正分配をあらゆる場面で力強く訴え、グループに集う仲間の労働条件改善に繋がる取り組みを強化することとします。また、グループ労組においても、自社の労働条件は当該労使で創り上げていくといった気概を持ち、労使協議に臨むこととします。

その上で、グループ会社とともにJR産業を支え続けている協力会社等に対しても同様の取り組みを広げていくことで、すべてのJR関係労働者の労働条件の「底上げ」「底支え」と、JRグループ内における企業規模間の「格差是正」を図ることとします。