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2019春季生活闘争の基本的な考え方

JR連合はこの間、すべてのJR関係労働者にとってあるべき働き方と中長期的目標を明示した労働政策ビジョンを策定し、加盟各単組は、春季生活闘争や労働協約改訂交渉などの労使協議を中心として、同ビジョンの実現にむけた活動を展開してきました。そのような中、2014年に策定した現労働政策ビジョンが今年度改訂期を迎えることから、2019春季生活闘争は現ビジョンに基づく最後の闘いとなります。よって、加盟各単組は、現ビジョンの到達状況を把握し、一歩でも前進を図る取り組みを強化しなければなりません。

一方、JR各社においては、大阪北部地震、平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震、台風の連続接近・上陸など相次ぐ自然災害により、多くの路線で甚大な被害を受け、過日公表された第2四半期決算においては、一部のJR各社で通期業績予想の下方修正が行われました。しかし、年末年始期間の利用状況はすべてのJR旅客会社で前年を上回り、合計でも9年連続で前年を上回るなど、足下では堅調な経営状況となっています。

よって、加盟各単組は、JR産業の持続的な発展にむけた採用競争力の強化や人材の確保・定着を実現するため、これまで築き上げてきた信義誠実の精神に基づいた健全で建設的な労使関係を基礎に、真摯な労使協議を通じて、JR産業を支え続けている組合員の負託に応えていく必要があります。

日本経済の先行きについては、通商問題の動向が世界経済に与える影響や地政学的リスク、相次いだ自然災害が国内経済に与える影響など、国内・海外要因の影響を受けつつも緩やかな成長が見込まれており、企業収益は過去最高を更新しています。その一方で、実質賃金や個人消費は横ばいで推移しており、GDPの推移と比較しても乖離があることから、内需主導の経済成長とはなっていません。今後、10月に予定されている消費税率引き上げや社会保険料率のさらなる引き上げなど、可処分所得の目減りが懸念される中、経済の自律的成長を実現するためには、GDPの6割を占める個人消費の回復が不可欠であり、そのためには労働者の所得向上が必須です。したがって、2019春季生活闘争においても「賃金は最大の労働条件」との認識に立ち、月例賃金の引き上げに徹底してこだわり、賃上げの流れを継続・定着させる闘いを展開していきます。

また、人手不足が深刻さを増す中で、個々の労働条件を含めた働き方全般について点検し、改善を図る取り組みも重要になってきます。生産年齢人口が減少の一途を辿る中で、労働力を確保するためには、働き方の見直しはもとより女性や高年齢者の活躍が不可欠であり、そのためにも働く者一人ひとりの状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みの構築や仕事に応じた適正な処遇の確保など、ワーク・ライフ・バランスの充実にむけた取り組みが重要になってきます。そして、働き方改革関連法の成立や雇用形態間格差の是非を争った訴訟の最高裁判決なども踏まえ、自社の制度・運用や業務実態を点検し、必要な見直しを図る取り組みも展開しなければなりません。

したがって、2019春季生活闘争においても、現ビジョンで明示したあるべき働き方の実現にむけて、月例賃金の引き上げを基軸としつつ、労働時間や休日・休暇制度といったすべての労働条件を点検し改善を図る「総合生活改善闘争」に継続して取り組むこととします。

そして、グループ会社がJR産業発展の命運を握っているとの認識を改めて加盟全単組で共有することが重要です。特に、グループ会社における人手不足は前年以上に深刻さを増しており、要員不足が常態化する中、過酷な労働を強いられています。蓄積された経験や知識、技量が必要とされるJR産業において、このような事態は心身の健康や安全確保、そして安全・安定輸送の観点からも危機的状況であり、人材流出に拍車をかけることにもつながります。よって、JR各労使は、この厳しい現実を直視し危機感を持って、グループ会社の労働条件向上や安全確立にむけた原資を創出するための方策(契約単価の見直し等)を施し、グループ会社における人材の確保・定着にむけた取り組みを従来以上に強化するとともに、グループ各労使においても、自社の労働条件は当該労使で創り上げていくといった気概を持ち、これまでの取り組みを継続・前進させていかなければなりません。

そのうえで、グループ会社とともにJR産業を支え続けている協力会社に対しても同様の取り組みを拡げていくことで、すべてのJR関係労働者の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現にむけた取り組みをより一層強化していくこととします。

さらに、昨年2月以降、JR東日本では労働組合に属さない未組織労働者が多数存在し、「労働組合不要論」が蔓延している異常事態にあり、労働組合の存在意義が問われています。加盟各単組は、こうした状況を対岸の火事ではなく他山の石と捉え、春季生活闘争を通じた組織拡大とJR連合への総結集を果たしていくこととします。

2019春季生活闘争では、上述した視点や2018春季生活闘争の成果と課題を踏まえ、JR各社はもとより、グループ会社や協力会社等で働くすべてのJR関係労働者の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現を前面に押し出した闘いを、加盟全単組が一丸となって展開することとします。